〜A story of love〜


【あとがき】
Post-scriptum


※過去の台詞書き物(2001年9月〜2002年 1月創作)を修正し、  2005年5月以降に降りてきた場面を追加再編したものです※


まず最初に、
宗教関係の記述、戸籍に関しての記述、また音楽活動についての記述に不適切な箇所があるかもしれませんがお許しください。
私は宗教信仰者ではなく、音楽関係者でもありません。
この物語は私自身が見た夢から生まれたものです。
私自身が感じ、思ったままを書いたもので、何かを意図したものではありません。


この物語を書くまでの経緯を少し書き留めておきたいと思います。


 2001年 夏も終わった9月 ある日夢を見ました。
それはとてもせつなく、何故そんな夢を見たのかまったく分からずに、夢の情景だけが頭から離れなかった。

その夢は、

:目の前で、繋いだ誰かの伸ばしている手が、自分の掌からするりとこぼれるようにして離れて、
その人は振り返りながら、でも遠ざかってしまう:

その指先1 本1 本の離れる瞬間がとてもリアルで、遠ざかるその人の瞳がもの哀しくって、言葉に出してはいないけれど、「いかなくちゃ・・・」 そう聞こえたような気がした。

離れてゆく指先と指先の感覚を、ベットで眠る自分の指先に感じていた。
目を覚ましたとき 『泣いてないよね』 なんて、頬を確認しながら起きて、少しの間せつなさの余韻にひたっていた、そんな夢だった。


でもその夢の登場人物、離れてゆくその人が誰なのか分からなくて
『誰だったんだろう今の???』 って。


また別な日に夢を見ました。

:辺り一面黄色い世界、それはたぶん菜の花畑で、その中で少年と少女が出会い、とても暖かい気持ちに包まれている。
暫くすると少年は大きな手に引かれ、少女も誰かの呼ぶ声の方に歩き始める。
「離れたくない」 と思った少年が振り返ると、周りが黒く黒く染まり始めて、全てが消え去ってしまう。
少年はただ一人、その場に言葉もなく立ち尽くしている:

というもの。

最初は少年の側から見ている映像なので、少年のことを自分だと思っていました。
そして、また前と同じ夢を見たのです。 まったく同じ夢を。
先に見た繋いだ指先が離れていくという夢、今度もせつなさだけを感じて目を覚ましました。


私は見る夢のほとんどは操作できる。
目を閉じると浮かぶ映像から、こういう風になる、この人が登場すると思うことがそのまま夢として見られる。

なんとなく 「そんなことある訳無いじゃん」 と言われそうでこれまで誰にも言ったことが無い・・・
けれど、ごくまれに予期せぬ夢を見ることがある。
今回の2つの夢は正にそれで、「なんでこんな夢見たんだろう?」 ってものだった。
そして、その夢が意味するものが一体何なのか、まったく理解出来ないでいた。
それも繰り返し見るなんて・・・。

でも繰り返し見た夢から覚めたとき偶然付けたTVで、ヘアーワックスのCMのGackt氏を見て ”この人だぁー”って 「誰か」 を発見!
夢のその人は 「Gackt氏」 だったのです。
それまで、とにかく仕事帰りが遅い私はほとんどTVを見る機会もなく、Gackt氏のことはほとんど知らなかった。

夢の人物がGackt氏だと分かって、それから何度か見かけるうちにCMのGackt氏が最後に発する声が
「なんて素敵な声をしてるのかしらン♪」 って思いました。
(話し声に惚れやすい私の弱いところです)


そして、2つの夢はとてもリアルで、いつまでも心に残っていました。
それを元にちょっとしたうたを書きました。
ただ夢からの情景想像詩。
書き終わる頃に、ふと 「二人は兄妹だったんだ」 と頭に突然浮かび、妙に納得したのを覚えています。

それからなんとなく雑書きを始めました。
書き出すと展開がポロポロ出てきて、日記みたいに浮かんだことを文章にしていました。
いつか見たせつない夢とGackt氏の声のイメージだけを頼りに。
でも書いているうちに文章の中の主人公、それに他の登場人物たちが勝手に動き回るんです(笑)


 11月、Gackt氏の 「君のためにできること」 のサビの部分が頭に残っていた私は、 それを携帯の着信音にしていました。
そんなある日飲み会があり、同席した人に 「好きなの?」 と聞かれ、
「なんとなくね」 と答えた私に、彼はGackt氏の楽曲を聞かせてくれました。
4月に発売された2ndアルバム 「Rebirth」 です。

私はその初めて聞いたメロディにひどく感動しました。
とても心にみて、楽曲の物語がどんどん私の中に入り込んでくるのを感じた。

さらにビックリしたのは、文章の中にうた(主人公Harutoの心の声と言いましょうか)を書いていたんですが、本物Gackt氏のうたのフレーズと似ているんです。
もう自分では 「がっちゃんと私の感じるものは一緒なんだわ!!」
と莫迦みたいにはしゃいでました(笑)

その後、文章も溜まっていた頃、
「それだけあるならちゃんと書けばいいのに、出来たら読ませて」 と友人に言われ、
自分でも記念に残しといても良いかなぁ〜と思うようになり、本格的に書くことを決めました。


ところで、登場人物の名前がアルファベットなのは、漢字だと意味がありすぎて・・・
だって漢字は姓名判断とかも出来るし、それって意味が深すぎて、もしかして知ってる人と同じ名前だったりしたら、イメージが固定しちゃうような気がしてとても使えなかった。

とにかく、文章を書き続けていた私は、それまでの仕事に追われて過ごしていた頃よりもっと睡眠時間が無くなって、毎日3時間ほどしかなかった。
身体は疲れていたのだけれど、手が勝手に動いていた。

何故そこまでしていたのかというと、
映像が頭の中に出てきて排出しないといつまでも動き回っていたから(笑)
頭の中で登場人物が勝手に動き回ってどんどん展開していっちゃうんです。
「さぁ書こう」 とか、何も考えてなくても。
前日まで書いた文章を読み返したりすると、次の展開が浮かんでくる。
浮かぶっていうのはちょっと違うかな。
「登場人物は生きている」 と言った方が合ってるかもしれない。

よくアーティストの方が 「曲が降りてくる」 って言うけど、本当にそんな感じだった。


友人に途中経過を、文章の中身を話した時、うまく説明出来ずに
「私の頭の中をデジカメで撮って見てほしい」 ってよく言ってた。
口ではどうにも説明が出来ないし、話しているときでもHarutoやRinoが動いてしまうから。
人の行動しているところを実況中継してるようなもので、それはとても難しい。

ある時、文章を読み返していた私は不覚にも泣いてしまったことがある(爆)
主人公2人の気持ちが、心が見えてしまって
(書いているのは自分なのだから当たり前かなぁ?)

それから途中、登場人物が全て自分のことのような気がして、恥ずかしくなったことがあった。
Harutoは、Rinoは、私自身なのかもしれない。
YokoやRyujiだって私の中の一部かもしれないと・・・

本文を書くのは身体がついていかないくらい溢れていましたが、でも1 つだけどうにもならないことがあった。
それはうたうたにならないこと。
Gacktの心の声のようにうたを書いていたのが、曲が浮かばない私にはそれがまるで説明文章のようになってしまって困っていた。

メロディを付ければ簡単かなと思いもしたが、そのメロディが1・2小節くらいしか出てこなくて、どうしても出来なかった。
そこで、唯一聞いたことがあるGackt氏の楽曲数曲を参考にうたを完成させた。
断っておきたいが、決してGackt氏の曲のコピーをした訳ではないということ
(替え歌じゃないってことです)

Aメロ、Bメロ、サビに詩がのるようにすれば曲が出来ると、バンドをやっている知り合いに聞いたので、部分的にメロディにのるように手直ししたのです。

でもGackt氏のうたを真似てはいない。
それをしてしまったら文章の中のHarutoが消えてしまうし、真似をしたのではGackt氏にも失礼なような気がしたから。
だけどHarutoの心の声の詩は、Gackt氏の楽曲しか参考に出来なかった。

私の夢に突然現れた 「Gackt氏」、それに初めて聞いて感動した楽曲、どちらも私の心に同じせつなさを残していたのだから。

話はちょっとれるが、今ではGackt氏の楽曲に、映像に、語る言葉に触れ、
「私はこういうアーティストを求めていたんだ」 と強く思っている。
それは私自身が探している答えを、導いてくれそうなそんな感覚が巡ったからだ。


Gackt氏がどんなことを感じ表現しているのかは分からないが、Gackt氏は儚いものへの思いを心の中に持っているような気がする。
それがどんなものなのか、それは分からない。


私はこの物語を書いているとき、とてもいろんなことを考えるようになっていた。
自分自身のこと、周りの人達のこと、そして今まであった過去のことを。
何か答えを得た訳ではないが・・・


この物語は完成系ではない。
私には結末が2通り浮かびました。 でも、どちらにした方が良いのか今でも結論が出せません。
ですから結末は貴方自身が想像してください。

いつか結末を書くことがあるかもしれない。
その時、私に、私自身の答えが出るのかもしれない。

私はこれから、先に買い求めてきたGackt氏の楽曲を思う存分聞きたいと思っている。
そして、夢の意味も考えてみたい。


皆さんの結末は、答えは、どんなものなのだろう・・・



最後に、この物語を書くことを勧めてくれた友人達へお礼を言いたいと思います。
それからGackt氏の楽曲を教えてくれた知り合いにも感謝します。
貴方方がいなければ、この物語を書き上げることはなかったでしょう。




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